プログラマとプロマネのあいだ

プログラマもやるし、プロマネもやるし、たまに似非アーキとか営業っぽいこともやる

「山の音」読了

山の音 (新潮文庫)

山の音 (新潮文庫)

川端康成って言えば、「伊豆の踊子」とか「雪国」の「国境の長いトンネルを越えると雪国だった...」とか非常に有名ですよね。
が、相変わらず文学とは疎遠で過ごしてきたので、この「山の音」で初めて読みます。
この本、簡単に言えば、60歳を超えたオヤジの嘆きが聞こえる痛ましい小説。でしょう。
ヒトゴトとして読む分には、わりと面白かったりします。


奥さんと子供二人(姉と弟)がいて、姉は嫁いでいき、弟は結婚して嫁と同居しているという、わりと平和な状況から物語は始まるのですが、姉は夫と半ば(これがまた中途半端なのですが)離婚して子供二人を連れて実家に帰ってきてしまうし、弟は外に女を作ってなかなか家に帰ってこないしで、頭を痛める日々が続くのです。


親がどこまで子供の心配をするんだ。みたいなことが度々出てきますが、
オヤジが浮気相手に対して別れてくれとかお願いしにいくなんてのは、
どうみても度が過ぎているとしか思えません。
時代としてはそう違わないのに、サトウハチローと対極をなしているような気がしました。(佐藤愛子の「血脈」より)


あと本筋とは関係ないのですが、こういうのがありました。

今年から満で数えることに改まったので、信吾は六十一になり、保子は六十二になった。
...
「今年五つになるはずの里子が、三歳になってしまうのは、なんだか狐にだまされたようですねえ。わたしらは六十四だって六十二だって、大した変りはないけれど。」

数え年 - Wikipediaによると、1950年の元旦から数え年を廃止し、満年齢による数え方になったようです。
ということは、この物語も戦後まもない頃の話だったというのが分かりますね。


特に文章が難しいということもなかったので、
川端康成の他の作品を読んでみても良いかも知れません。