「百鬼園随筆 (新潮文庫)」読了
- 作者: 内田百けん
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/04/25
- メディア: 文庫
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一言で言えば、気の利いた短編集のような感じ。
うーん意味分からんってのもから、結構面白いってものまで色々あるのですが、中でも面白かったのは、
無恒債者無恒心の、以下のくだり。
お金を持つという事は、その人間を卑小にし、排他的ならしめ、また独善的にする。厭うべきはお金である。お金があっては、道を修め、徳を養う事は出来ない。なかんずくやっと、どうにか間に合うという云う程度に、お金を所有する事が、最も恐ろしい。そう云うお金は、いちばん身に沁みて有り難いから、従って、お金の力が一倍強く、故に一層修養の妨げとなる。
僕みたいな小金持ちは、一番ダメだということですね。。
ただ、この章と、その次の章の「地獄の門」では、さんざん借金に苦しむ(自覚はないのかも知れないが)様子が描かれていることから、やっぱり小金は持っておいた方が平和だよなあと思ってしまいます。
あと、解説の「イヤダカラ、イヤダ」の話も面白いです。
一つ一つの話は短いし、読みやすいので、読書初心者にもおすすめです。