「しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール」読了
しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)
- 作者: 香山リカ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/07
- メディア: 新書
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一つ一つの中身には共感させられるのに、なぜか「そんなので大丈夫なのか?」と疑問が出てきてしまうのは、
やっぱり現代的な何かにとらわれているせいなのか。
例えば、第6章の仕事に夢をもとめないでは、
ただ、「好きなことを仕事にしていない」「仕事で夢を追いかけていない」という人も、自己嫌悪に陥ったりその仕事をやめたりする必要はないのだ。「私は何のために働いているのか」と深く意味をつきつめないほうがよい。どうしても意味がほしければ、「生きるため、パンのために働いている」というのでも、十分なのではないだろうか。
と述べられていて、そんなモチベーションが低い状態(なのか?)では、顧客や上司、同僚の期待には応えられないのではないか。
それって向上心の無い、いわゆるお荷物なんじゃないのか。
などと考えてしまうのは、僕がカツマー寄りだからなのかも知れない。
一方で、「替えのきく存在」でいるほうがいいには同意だったりします。
自分が「誰とも交替のきかない存在」だとしたら、転勤もできず休暇も取れず、もっと言えば病気になることも死ぬこともできない。気が抜けない毎日で、息が詰まり、治療にもマイナスの影響が出るに違いない。「まあ、私がいなくても、かわりの人がなんとかしてくれるだろう」と思っているくらいが、肩の力が抜けて、いちばん効果的な治療を行うことができるのではないだろうか。
多分、社会人経験もそろそろ10年になろうかというところで、「まだ」と「もう」というそれぞれの気持ちがあって、それこそ、ほどよく「肩の力が抜けて」きたからじゃないかと思います。
人生には最高もなければ、どうしようもない最悪もなく、ただ”そこそこで、いろいろな人生”があるだけなのではないか。だとしたら、目指すモデルや生き方がどれくらい多様か、というのが、その社会が生きやすいかどうか、健全であるかどうかの目安になると言えるはずである。
確かに、格差社会とか、勝ち組負け組とか、二極分化するのではなく、「そこそこ」ってのがあってもいいよなとは思う。
なんとなくそれが許されない空気があるのが現代なのかなと思います。
ほんと生きにくい世の中なんですが、本書に書かれているような考えをもって、
自分で自分を破壊しないように気をつけていければ良いのではないかと思います。