ITコンサルの日常

ITコンサル会社に勤務する普通のITエンジニアの日常です。

「西の魔女が死んだ」読了

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

不登校になってしまった少女まいが、おばあちゃん(=西の魔女)のところへ行き、
様々な経験(=魔女になる修行)をしながら、閉ざしていた心を開いていくというストーリー。


まいの心の機微が良く描かれていて、それも楽しめるのですが、
個人的には、おばあちゃんの言葉がとても良かったです。
特にここ。

 「ありがたいことに、生まれつき意志の力が弱くても、少しずつ強くなれますよ。少しずつ、長い時間をかけて、だんだんに強くしていけばね。生まれつき、体力のあまりない人でも、そうやって体力をつけていくようにね。最初は何にも変わらないように思います。そしてだんだんに疑いの心や、怠け心、あきらめ、投げやりな気持ちが出てきます。それに打ち勝って、ただ黙々と続けるのです。そうして、もう永久に何も変わらないんじゃないかと思われるころ、ようやく、以前の自分とは違う自分を発見するような出来事が起こるでしょう。そしてまた、地道な努力を続ける、退屈な日々の連続で、また、ある日突然、今までの自分とはさらに違う自分を見ることになる、それの繰り返しです」

地道派の自分にとっては、非常に心強い言葉です。
「もう永久に何も変わらないんじゃないかと思われるころ」に変化があるのですね。
まだまだ地道にやる必要がありそうです。
まあ、そんなこと言ってるうちに、うっかり人生終わっちゃいそうですが。。


もう一つはここ。

(まいがおばあちゃんに、目を閉じて、マグカップを思い描くように。と言われたあと)
 「できますよ。コツはね、朝、目覚める寸前の、あの夢と現実の境の感じをしっかり自分のものにするんです。これから毎朝、その瞬間を意識して捉えてごらんなさい。そして、自分で見ようと決めたものを見ることができるように訓練するんです。最初はマグでも、りんごでもいいんです。それができるようになったら、今、現実には見えないもの、例えばこの箱の中身だとかそういうものを見たいと思い、実際に見えるようにするんです。そうなるまでにはかなり時間がかかりますけどね。でも、気をつけなさい。いちばん大事なことは自分で見ようとしたり、聞こうとする意思の力ですよ。自分で見ようともしないのに何かが見えたり、聞こえたりするのはとても危険ですし、不快なことですし、一流の魔女にあるまじきことです。」

裏表紙にも書いてある、魔女は「何でも自分で決める」ってことが大事だということですね。
あくまで自分の意思の力で、見たり聞いたりすべきで、流されるのはダメだと。
前からなんとなく思ってたけど、Amazonのレビューを盲信して本を買うとか、
有名人がおすすめしているから何かするとか、そういうことの無いようにしないといけないですね。