プログラマとプロマネのあいだ

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「「ニート」って言うな!」読了

「ニート」って言うな! (光文社新書)

「ニート」って言うな! (光文社新書)

先に読んだ「ダメな議論―論理思考で見抜く」の中で引用されていた本。
ニート」について一般的に流布している言説に対して、丁寧に反証した本。


ニート」っていうと、なんとなくダメな人とかを表す言葉として使われがちですが、それがまさに「ニート」言説の刷り込みの結果ということのようです。

ニート」言説は、1990年代半ば以降ほぼ10年間の長きにわたり悪化の一途をたどった若年雇用問題の咎を、労働需要側や日本の若年労働市場の特殊性にではなく若者自身とその家族に負わせ、若者に対する治療・矯正に問題解決の道を求めている。「ニート」は、忌むべき存在、醜く堕落した存在、病んだ弱い存在として丹念に描き出される。「ニート」は、可能な限り水増しされ、互いに異質な存在を全て放り込んだ形でその人口規模が推計される。「ニート」は、若者全般に対する違和感や不安をおどろおどろしく煽り立てるための、格好の言葉として用いられる。「ニート」はやがて、本来の定義を離れてあらゆる「駄目なもの」を象徴する言葉として社会に蔓延する。

なんでそんな風に蔓延しているのかというと、

 危機をことさら強調して、今までなら通らなかった反市民的な政策や法案(あるいは条例)を通すなどして、望みの社会状態を現出させるチャンスを狙う政治。

具体的には、

  • 戒厳令的な夜間外出禁止令
  • 道徳警察による交際の処罰
  • 労働や奉仕活動の強制――プチ徴兵制

とか書かれてます。
いや、まさかな。とは思うのですが、本当にそんなことが実現したら、ただでさえ生きづらい世の中が、さらに生きづらくなってしまうこと請け合いです。
ほんと、「ダメな議論」を見抜く力を身につけ、自分の信念に沿った投票行動をしなければいけません。
ああ、なんか政治色が濃くていやなのですが。。

 すでによく知られているように、「ニート」はイギリスで生まれた「NEET」("Not in Education, Employment or Training")という言葉をカタカナで表記した言葉です。いずれの語も、学生でもなく働いてもいない若者を意味しているという点では共通しています。

イギリスでは、失業者を含む、16〜18歳が対象なのに対し、日本では、失業者を含まない、15〜34歳が対象とのことで、既に本家と随分違っています。言葉を輸入するときに、都合の良いように変えてしまったのでしょうか。。


日本でいうニートは、

  • 非求職型: 仕事に就きたいが今仕事を探していない
  • 非希望型: 今仕事に就きたいと思っていない

という風に分類できるそうですが、この内、一般的な「ニート」のイメージである、働く意欲がない、ひきこもり
という人は、1/3程度しかいないそうで、非希望型については、ここ10年増えていないとのこと。


つまり「ニート」≠「ひきこもり」、「ひきこもり」の数は増えていない、一般にイメージされる「ニート」も増えていない。
ということでしょう。