ITコンサルの日常

ITコンサル会社に勤務する普通のITエンジニアの日常です。

「iPhone 衝撃のビジネスモデル」読了

iPhone 衝撃のビジネスモデル (光文社新書)

iPhone 衝撃のビジネスモデル (光文社新書)

タイトル買いしたら、Amazonの評価ボロボロじゃないか。。


ポイントは以下の点であると読めました。

携帯電話のアドバンテージ

 また、ノートPCからインターネットにアクセスする場合、主要な末端回線として無線LANを使うが、外出先など公共の場で使える無線LANアクセスポイントは、ネットワーク先進国でさえそう多くはない。少なくとも、水道や電気と同様に使える状況ではない。
 ここで圧倒的なアドバンテージを持つのが携帯電話である。携帯電話は、欧米や先進アジア諸国において大きな普及率を持ち、その値は年々さらに上昇している。ネットワークへの接続も、時と場所を選ばないほどのサービスエリアを維持している。ユビキタスの描く、いつでも、どこでも、誰にでもにもっとも近いデバイスであるといえる。

日本での現状は、e-mobileWiMAX(評判良くないらしいですね。。)などの登場によって、若干状況は変わっていますが、ノートPCを常に持ち歩くことの負担を考えると、やっぱり携帯電話にアドバンテージがあるような気がします。

際限なく人間と機械のインタフェースが断絶した社会

 ネットワークが存在して、ネットワークの各所に人間に対するサービスポイント(サービスの提供点。ATMやSuicaやウェブやインテリジェント掃除機)が存在する。それは、まさに偏在(ユビキタス)と呼ぶに相応しい状態だろう。
 また、Web2.0やセマンティックWebの進展により機械同士の連携が進み、ネットワークが実現できることのポテンシャルは増大し続けている。
 しかし、爆発的に増大したサービスポイントは、それぞれ異なったサービスの形態を持ち、操作手順も異なる。その操作手順のすべてを記憶できるほど、人間の処理能力は高くない。
 いわゆるユビキタスモデルとは、人間が操作すべきサービスポイントが際限なく増殖するモデルである。理想郷に至るはずが、実は奈落へと突き進んでいたのではないだろうか。

機械同士の連携はやりやすくなるけど、人間が操作する機械の操作感は向上してないよね。ということらしい。
iPhoneなら操作感が良いということなのだろうが、同じところで、

OSという情報機器を動作させる首根っこを掌握しているウインドウズでも、応用ソフトウェアの操作を統一することはできなかったのである。

と書いているので、同じことがiPhoneでもいえるのではないだろうか。
iPhoneアプリは、Appleのレビューを通しているから、大丈夫なのだろうか。

携帯電話は完全なサービスポイントか

 それでは、携帯電話は電子的なサービスを利用する場合の理想的な窓口かといえば、そうとも言い切れない。前述したように、すべてのサービスを利用しようと目論む場合、そのインタフェースが貧弱すぎる。現状のサービスを考慮したとき、テンキーはすでに実情にあっていないのだ。サービスに対してよい窓口たりうるためには、この問題は解決されなければならない。

電子的なサービスを利用する場合の窓口(最初の方にフェデレート端末とかいう言葉で説明されている)を設けることで、爆発的に増大したサービスポイントへの収斂を図ることが必要で、携帯電話はいつでも、どこでも、誰にでも使えるデバイスなので、理想的なように思えるが、テンキーというインタフェースが貧弱なために、フェデレート端末足り得ないということらしい。


ノートPCがダメなのは、上述の通り携帯性が悪いため、じゃあ、キーボード搭載のPDAとかスマートフォンだったら良いのでは?という疑問もあると思うが、windows mobileに限った話だと、あのスタイラスが操作感悪すぎる。

つまり、携帯電話クラスの携行性とリッチで拡張性の高い機能を簡便に使いこなせるインタフェースを持つデバイスは、永年求められながらも提供されてこなかった。進化の空白地帯、ミッシングリンクだったのである。二〇〇七年のMacworldまでは。

というわけで、操作感の良い携帯電話であるiPhoneが良いとなるということのようです。


iPhoneで実現するサービスの一例として、画像検索エンジンが挙げられています。

 例えば、街中で「あんな花瓶がほしい」と思ったときに、その花瓶を写真に撮って検索システムに送信すれば、その花瓶に関連する情報が示されるくらいのサービスはあってもいい。
(略)
 携帯電話は必要な要素をすべて携行性のある端末に集約しているが、写真を撮って―サービスに送信し―検索結果を受け取り―情報にアクセスする、という一連の手続きを実行するには、情報表示画面とインタフェースが貧弱である。iPhoneなら、それが可能なのだ。

確かにこういうことをやろうとすると、携帯電話じゃだめで、iPhoneでなければならないという気はしますね。


というわけで、肝心の「衝撃のビジネスモデル」については、

  • インターネットよりも課金しやすい携帯電話
  • 新しいサービスが生まれる環境であるiPhone

というところから、
ユーザ:より多くの利便性を得る
サービス提供者:携帯電話ではできなかった新しいサービスを考える
Apple:サービス提供者より収益を得る
というところなのではないかと思いました。
衝撃かどうかはともかく、より便利なサービスが出てくるのは、ユーザとしては嬉しいところですよね。