「敗者のゲーム―なぜ資産運用に勝てないのか」読了
- 作者: チャールズ・D.エリス,Charles D. Ellis,鹿毛雄二
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 1999/04
- メディア: 単行本
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本書は、
- 資産運用の本質
- 運用理論の基礎
- 個人投資家への助言
の三部構成になっていて、それぞれ、
- なぜ敗者のゲームになってしまうのか
- どのように運用すればいいのか
- 個人投資家はどのように考えればいいのか
について書かれています。
なぜ敗者のゲームになってしまうのか
まず大切なことは、大手運用機関で、長期的に市場平均に買っているところはほとんどなく、また、誰が市場に勝てるかを見極めるのも非常に難しい、ということを理解することである。
そんなプロ同士がしのぎを削っているところ(=市場)に、僕のような素人がほいほい出て行っても餌食にされるだけってことなんですよね。
どのように運用すればいいのか
アインシュタインによれば、人類最大の発見は「複利の考え方」である
複利のパワーとか色々言われて、もう耳タコな感じですが、
アインシュタインがこんなこと言ってたってのは面白いですね。
こうした基本を踏まえた上で、運用基本方針を定め、
その方針に沿って運用し、運用成果を測定していくことが重要であると書かれています。
運用基本方針をなぜ定めるかについては、
運用基本方針は最も強力なパニックの予防薬である
や
ジェーソン・ツヴァイクがいうように、「われわれは靴下(socks)を買う時のように株(stocks)を買ったなら、もっとうまくいく」のである。つまり、株価が上がったからといって有頂天になったり、下がったからといって落胆したりするのは間違っているのである。株式相場の下落は、安く買うための第一歩である。
を引用すればわかるでしょう。
だからこそ、淡々と買って、ドルコスト平均法が効く、積立投信に価値があると言えるのだと思います。
個人投資家はどのように考えればいいのか
ここにはたくさんの個人投資家に向けたアドバイスが書かれているのですが、
まずはここでしょう。
われわれは過去に貯蓄した資金だけを投資できるわけだから、投資よりもまず節約し貯蓄することが先決である。麦藁帽子を秋に買ったり、一月にクリスマスカードを買うなどの日常的な節約も、ちりも積もれば山となる――特に有効な運用計画と結びつけば。
それから、
高いときに買いたくなり、安い時に売ろうとする誘惑を退けるように
とか。これも繰り返しですね。
じゃあどうすりゃいいのか
アメリカ最高の投資家、ウォーレン・バフェットも個人投資家にはインデックス・ファンドを推奨
とか、これももう耳タコなんですが、勝間和代氏の本にも書かれている通り、
"理論的には"インデックスファンドを毎月積立で買う
ってのがベターな感じがします。
なんかでもそれって淡々とし過ぎてとてもツマラナイので、
例えば、投資資金の7割は、インデックスファンドを積み立てて、
残りの3割は(たとえ負けだったとしても)自分の判断で投資するとか、
そういう要素がないと、面白くないんじゃないかなあ。なんてことも思いました。
遊びも重要ですよね?