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「フィッシャーの「超」成長株投資―普通株で普通でない利益を得るために」読了

フィッシャーの「超」成長株投資―普通株で普通でない利益を得るために

フィッシャーの「超」成長株投資―普通株で普通でない利益を得るために

「超」成長株投資の考え方とやり方が書かれている本。
著者のフィリップ・フィッシャー - Wikipedia氏は、かの有名な投資家ウォーレン・バフェット - Wikipedia氏の師匠にあたる人のようです。

 投資家は決して10%や20%の小さな利益にではなく、何年間もかけて10倍近くになるような株価の成長にこそ興味をもつべき

こういう思想なので、

 「安いときに買って、高いときに売る」という旧世代の常識

とか

 どれほど割安な株であっても、せいぜい5割引のバーゲン品でしかありません。

などとばっさり言い切ってます。


どのように「超」成長株を見つけるかについては、Wikipediaのページの中にも書かれている、
「最高の株を選び出すための15のポイント」
が重要である、と繰り返し書かれています。
これらのポイントを満たしている企業こそが、「超」成長株であり、投資対象に成り得る。
逆に、これらのポイントを満たせなくなった場合は、「例外なく売るべき」と書かれています。


では、どうやって15のポイントを満たす会社を見つけるかが問題になるわけですが、

 巧みな解決法などありはしないのです。

と前置きした上で、

  • 第一段階
  • 第二段階
    • 聞き込み
      • 必要であれば紹介を通じて、企業の幹部や科学者、企業の取引先、競合相手、元社員、関連分野の科学者のうち主立った人などから話を聞く
  • 第三段階
    • 経営者と会う

という三段階を踏む必要があるとのことです。
というわけで、考え方は分かったけど、素人には実践できないじゃん!という脱力感に襲われたのでした。。
やっぱり株は素人が手を出すものじゃないなと改めて感じます。


投資哲学的なところで興味深かったのは、「配当の正しい考え方 もしくは無視してしまえ」のところ。(また過激な感じですが)

 無配であるというだけでは、株主への貢献度が低いとは言い切れません。

 増配ではなく再投資を選ぶということは、こうした点――つまり、所得税や仲介手数料を引かれて目減りする配当金を株主に手渡すより、その資金の100%を会社の事業のために活かせること――の他にも株主にとってメリットがあります。

 有能な経営者に内部留保を再投資してもらうほうがはるかにリスクが小さいのです。

などなど、毎月分配型の投資信託は買ってはいけない?で書いた理由と同じようなことが書いてあります。
一つ違うのは、株の配当はあくまでも利益の中から出るのに対して、投資信託の配当は利益が出ていなくても出ることがある。というところでしょうね。
いずれにしても、配当にこだわってはいけないという考え方は、何度も腑に落ちるまで唱えるべきことなのかも知れません。