「「いき」の構造」読了
- 作者: 九鬼周造
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1979/09/17
- メディア: 文庫
- 購入: 15人 クリック: 50回
- この商品を含むブログ (88件) を見る
表紙に
日本民族に独自の美意識をあらわす語「いき(粋)」とは何か。「運命によって<諦め>を得た<媚態>が<意気地>の自由に生きるのが<いき>である」――九鬼(1888 - 1941)は「いき」の現象をその構造と表現から明快に把えてみせたあと、こう結論する。
なんのこっちゃだけど、面白そう!と思って読み始めました。
が、超々論文調なのである。従って非常に読みづらい。
内容も、言語は文化である的な話から始まって、この言語のあの単語は、こっちの言語では表す単語がないとか、「いき」もまた然りであるとかそういう話がうんぬんって感じで非常に退屈でした。
で解説でも読むか、、と思ったら、
しかし、ごく最近になると、「いき」ということばも、死語同然にみなす若者がふえてきたのにはおどろかずにいられない。「いき」というのは、おぼろげに知っていても、それではさて、「いき」の反対は何だというと、「不いきですか」などと答える人がいて、こちらが笑ってしまう。
「無粋」とか「野暮」とかいう反対語が、すっと出てこないのだ。
意外と面白かったりする(汗)
まあでも、確かに死語ですよね。。
で、さらに、
この本はかならずしも読みやすくはない。やっぱり哲学の本だ――と、がっかりする読者もいるだろう
ときて、完全にこちらの考えが読まれてしまいました。
しかし、いかめしい字面の向こうに、筆者の経験を読んでほしい。経験をまとめて説にまで高めていった著者の力を読みとってほしい。たとえば――
とあり、以下具体例が続くわけです。
確かに「いき」というキーワードから、よくここまで書けたものだとは思いましたが。