「忘れられた日本人」読了
- 作者: 宮本常一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1984/05/16
- メディア: 文庫
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個人的に面白かったのは、識字率がまだ低かった頃、
文字を知る人とそうでない人で、随分格差があったのだということ。
弁護士はそのころ三百代言といった。法律をたてにとってウソばかり言ってみんなからお金をまきあげた。
三十年をすぎてやっと世間のことがわかるようになった。その時は村人はすっかり貧乏になっており、字を知っている者だけが、もうけたり、よいことをしたりしていた。
これ、日本における英語のことだと思うと、痛いことだと思う。
あと、へぇと思ったのは、
一つの習俗が、その伝承者の資格によっていろいろにかわっていくことは多い。
たとえば絵馬は神仏に祈願する際に馬をひいていって寄進したにはじまると見られている。
それを生きた馬ではなく、絵で書いた馬で代用させるようになったために絵馬という言葉も生まれた。
そうなんですね。
最初は生きた馬だったってのが驚きでした。
古きよき日本とか、昔の伝統とかを知れる良書だと思います。