「99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」読了
99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)
- 作者: 竹内薫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/02/16
- メディア: 新書
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文中に、
数学は証明することができるんです。数学は概念ですからね。すべてが頭のなかのできごとです。ですから、一度証明してしまえば、それで決着です。
でも、科学はそうではありません。科学は、頭のなかにある仮説がどれくらい頭の外、つまり物理世界と一致するかを問題にします。
というわけで、数学は仮説の世界じゃないってことが書いてあるように読めます。
ちなみに、dankogaiのブログにも、そういうことを説明したエントリがありました。
404 Blog Not Found:数学と科学の違い
じゃあ、なぜ科学の99.9%は仮説なのか。というところなんですが、
いきなり
飛行機はなぜ飛ぶのか? 実はよくわかっていない
というセンセーショナルなタイトルから始まり、
ガリレオが望遠鏡を発明したときのこと、ミリカンの実験は実は都合の悪いデータを省いていたこと、
わりと最近の例では、冥王星が惑星として認められていたにも関わらず、2006年には小惑星の扱いとなったこと、
などなど、豊富な具体例を元に、いかに科学の99.9%は仮説なのかということを説明しています。
あと面白いなと思ったのはここ。
「科学は、常に反証できるものである」とはっきり定義したのです。
ひらたくいえば、理論に反する実験や観察がでてきたらその理論はダメだということを潔く認める、それが科学だっていうんです。
それに対して、たとえば疑似科学とか宗教とかいわれるものは反証可能ではない。ポパーはそう考えました。
本書で重要なのは、あとがきに書かれているここでしょうね。
常識、先入観、固定観念――。
わたしはなにも、すべてを捨て去れといっているのではありません。
ただ、一度捨てることにより、頭と心を身軽にして、スイッチを切り替えて、ふたたび現実の世界に舞い戻って、力強く再始動してほしいのです。
先日読んだ、「人生と投資で成功するために 娘に贈る12の言葉」の「常識はそれほど常識ではない」という言葉や、
随分前に読んだ、「「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質」の「知識とは正当化された真なる信念である」という言葉を思い出しました。
知識の新陳代謝(?)を良くして、自分の中の仮説をどんどん更新していきたいところです。