ITコンサルの日常

ITコンサル会社に勤務する普通のITエンジニアの日常です。

「無趣味のすすめ」読了

無趣味のすすめ

無趣味のすすめ

タイトルからすると、やわらかい内容の本かと思ってたのですが、大違い。
なんか本のタイトルって、中身と合ってないこと多いですよね。。
その中身は、ビジネスマン&ビジネスウーマンに向けた、村上龍さんの箴言集(戒めの言葉)。
著者の村上龍さんというと、テレビ番組「カンブリア宮殿」で有名ですよね。


ビジネスという軸に沿った箴言集なのですが、
読む人によって、どれが心に響くかは違うでしょうね。


一番最初の「無趣味のすすめ」にはこんなことが書かれている。

 現在まわりに溢れている「趣味」は、必ずその人が属す共同体の内部にあり、洗練されていて、極めて完全なものだ。考え方や生き方をリアルに考え直し、ときには変えてしまうというようなものではない。だから趣味の世界には、自分を脅かすものがない代わりに、人生を揺るがすような出会いも発見もない。心を震わせ、精神をエクスパンドするような、失望も歓喜も興奮もない。真の達成感や充実感は、多大なコストとリスクと危機感を伴った作業の中にあり、常に失意や絶望と隣り合わせに存在している。
 つまり、それらはわたしたちの「仕事」の中にしかない。

「共同体の内部にあり、洗練されていて、極めて完全なもの」ってのがわかりづらいのですが、
とにかく、趣味に時間費やしているヒマがあったら仕事(勉強)しろよっていうメッセージだと思います。
ちなみに、

 息抜きとしては、犬と散歩したり、スポーツジムで泳いだり、海外のリゾートのプールサイドで読書をしたりスパで疲れを取ったりするが、とても趣味とは言えない。

と書かれており、なんで趣味とは言えないのかは分かりませんが、息抜きとしての趣味(?)はアリのようです。


あと読書人として賛成なのは「ビジネスと読書」に書かれたこの意見。

 だからビジネスシーンに限らず、学生でも小説家でも、どんな職業の人でも、読書をするかしないかが問題ではなく、どんな情報を自分は必要としているのかを自分で把握できるかどうかが問題である。

ただ、

 自分が今どんな情報を必要としているのか、それを正確に把握するのは簡単ではない。

ので、まあ色んな本を買い漁って読むわけですけどね。


もう一つ共感したのは、「アドバイスについて」というところ。

 他人のアドバイスに依存する人は、路頭に迷うかも知れない。わたしは絶対にアドバイスなどしたくない。隠蔽されがちな事実を、正確に伝えたいと思っている。

質の良い一次情報を得よということなんだと思いますが、
個人的には、信頼できる人が発信する情報は信じていいかなと思います。
読書で言えば、著者買いってことです。
昨日書いたことにも通じますが、Amazonの評価をアテにするよりは良いような気がします。


あと、安直にこの本おすすめですとか書くのはやめようと思います。
結局、読む人によって、本の価値はそれぞれですもんね。